機械や器具に挟まれたり、巻き込まれたりした労災事故の注意点

「挟まれた事故」「巻き込まれた事故」は、他の労災事故と比較して、被害がより重篤になりやすい特徴があります。

こうした事故は、わずかな不注意や設備の不備が、致命的な結果を招くという点で、非常に深刻です。たとえば、次のような事例があります。

① 防護カバーが外れていた
安全を守るためのカバーが取り外されたまま作業が行われていた場合、機械の可動部分に直接手や体が触れてしまう危険性が高まります。
② 緊急停止装置が作動しなかった
いざというときに機械を止めるための装置が機能しなかった場合、被害が拡大してしまいます。
③ 作業マニュアルが徹底されていなかった
危険を回避するための正しい手順が、従業員に十分に浸透していなかった場合、事故が発生するリスクが高まります。

また、「挟まれた事故」「巻き込まれた事故」の場合は、作業員自身が身動きがとれなくなってしまうことがあるため、周囲が異変に気づいたとしても救出までに時間がかかり、被害が拡大する傾向があります。

このような事故にあった場合、労災保険からの給付を受けられる可能性は高いでしょう。しかし、労災保険の給付だけでは、被害者に発生した損害の全てをカバーすることはできません。

会社側の安全配慮義務違反が認められる場合には、労災保険とは別に、会社に対する損害賠償請求も視野に入れるべきです。

もっとも、会社は損害賠償請求の場面では労災事故における自社の責任を認めないケースも多く、被害者ご自身が会社と交渉を進めるのは、精神的にも時間的にも大きな負担となります。弁護士に相談することで、専門的な観点から証拠を収集し、法的な根拠に基づいた交渉が可能になります。

機械や器具に挟まれたり、巻き込まれたりした労災事故の典型例

「挟まれた事故」「巻き込まれた事故」には、次のような典型例があります。

① プレス機や裁断機に手や指を挟まれた事故
金属板のプレス加工やプラスチック成形、裁断作業などで使用される機械に、手や腕が挟まれ、重傷を負うことがあります。
② 回転ローラーやベルトコンベアに衣服や体が巻き込まれた事故
製造ラインや物流倉庫のコンベアに、作業服が巻き込まれ、体が引きずり込まれることで骨折や全身打撲を負うことがあります。
③ フォークリフトや台車と壁の間に挟まれた事故
倉庫や工場内で、フォークリフトの操作ミスや確認不足により、作業員が壁や他の機械との間に挟まれる事故が発生することがあります。全身を強く圧迫され、内臓損傷や脊髄損傷につながる可能性があります。

これらの事故は、製造業、建設業、物流業など幅広い業種で発生しており、労災事故の中でも発生頻度の高い類型の一つです。

事故発生の主な原因

「挟まれた事故」「巻き込まれた事故」が起こる背景には、次のような原因が考えられます。

① 安全装置の不備
防護カバーが取り外されていた、センサーが正常に機能していなかったなど、安全装置に問題があるケースです。
② 作業環境の不適切さ
機械周辺の通路が狭い、照明が暗い、冷暖房が設置されていないなど、作業環境が危険な状態にあったケースです。
③ 教育・指導の不足
作業員に十分な教育が行われず、機械の危険性を理解しないまま作業していたケースです。指導不足が事故の背景にあるケースも少なくありません。
④ 過重労働・人員不足
長時間労働や人員不足による疲労が、事故につながるケースです。

こうした原因が複合的に重なることで、「挟まれた事故」「巻き込まれた事故」は発生します。

主なけがや後遺障害

「挟まれた事故」「巻き込まれた事故」で生じやすいけがは次のとおりです。

  • 切断・切断に準ずる損傷(指・手・腕など)
  • 骨折・粉砕骨折
  • 脊髄損傷
  • 最悪の場合は死亡事故

義手や義足を必要とするケースなど、長期にわたるリハビリや介護が必要になることもあります。

事故後早めの検討・準備が望ましい事項

「挟まれた事故」「巻き込まれた事故」が発生した場合、次の点を早めに検討・準備することが重要です。

① 労災申請の手続き
会社が積極的に対応しない場合もあるため、ご自身で申請準備を進める必要があります。
② 事故原因の調査と証拠収集
安全装置の不備や指導不足など、会社の責任を裏付ける証拠を確保することが大切です。事故から日が空いてしまうと証拠の確保が難しくなることも多いため、早めの対応が重要です。
③ 後遺障害等級認定の申請
手や足を失った場合や神経損傷が残った場合は、後遺障害等級の認定を受け、適切な補償を得る必要があります。
④ 損害賠償請求の検討
労災保険の給付に加え、会社や場合によっては機械メーカーへの損害賠償請求も可能なケースがあります。

よくあるご質問

他の従業員の過失が事故原因であっても、会社に損害賠償請求できますか?

可能です。会社は従業員に対し、安全な労働環境を提供する義務(安全配慮義務)を負っています。

また、他の従業員の過失による事故であっても、会社は従業員の業務遂行上の過失について責任を負っています(使用者責任)。これは、従業員が仕事で起こした事故の責任を、雇用主である会社も負うという法律のルールです。

そのため、他の従業員の過失が事故原因であっても、会社に対して損害賠償請求ができる可能性があります。

自分に過失があっても、会社に損害賠償請求できますか?

可能です。労働者側にも不注意があったとしても、会社の安全管理に問題があれば損害賠償請求が認められる場合があります。

ただし、あなたの過失の割合(過失相殺)に応じて、賠償額が減額されることはあります。これは、事故が起きた責任が被害者側にもある場合、その割合に応じて賠償額を調整するという考え方です。

機械メーカーへの損害賠償請求はできますか?

場合によっては可能です。機械自体に欠陥があったり、危険防止装置の設計に問題があった場合は、製造物責任法などに基づきメーカーに責任を追及できることがあります。

ただし、このような請求には専門的な知識と調査が必要なため、弁護士にご相談いただくことをおすすめします。

まずは弁護士に無料相談

「挟まれた事故」「巻き込まれた事故」による労災は、被害がより重篤になりやすいという特徴から、労災保険からの給付だけでは生活再建に十分でないケースが少なくありません。

また、後遺障害等級の認定や会社への損害賠償請求をめぐっては、専門的な知識と経験が必要となります。

よつば総合法律事務所では、被害者やご家族の立場に立ち、最適な補償を得るためのサポートを行っています。一人で悩まず、まずはお気軽に無料相談をご利用ください。あなたの再出発を、全力でサポートします。

労災でお困りの方へ

弁護士による無料相談受付中

弁護士による無料相談受付中

メールで相談

無料相談申し込み

24時間365日受付

電話で相談

0120-916-746

受付時間 平日・土日祝日/6:00〜22:00

※本予約ダイヤルでの電話相談は行っておりません。