転倒した労災事故の注意点

転倒事故で労災申請を行う際には、特有の注意点があります。

① 業務遂行性・業務起因性の証明
労災として認定されるには、事故が業務遂行性(業務中に起きたこと)と業務起因性(業務に起因して起きたこと)を満たす必要があります。

特に転倒事故の場合、「業務との関連性」を客観的に証明する証拠が重要になります。

② 自己責任であるという主張への反論
会社側から「不注意で転んだのだから自己責任だ」と主張されるケースが多く見られます。

しかし、不注意であっても、会社の安全配慮義務違反が認められれば、労災とは別に会社に対する損害賠償請求が可能です。

③ 証拠の確保
労災申請や会社への損害賠償請求を円滑に進めるためには、事故直後の証拠が非常に重要です。

事故現場の写真や動画の撮影、目撃者の証言、当時の状況を記録したメモなどをできるだけ早く確保しましょう。

転倒した労災事故の典型例

転倒事故は様々な場面で発生します。労災と認められる可能性が高い典型例をいくつかご紹介します。

① 床や地面の不備による転倒
濡れた床、油や薬品がこぼれた床、凹凸のある路面、壊れた階段、工事現場の資材などに足を滑らせたり、つまずいたりして転倒するケースです。
② 設備や備品の不備による転倒
椅子のキャスターが外れる、脚立がぐらつく、台車が転倒する、ケーブルにつまずくなど、設備・備品の不具合が原因で転倒するケースです。
③ 清掃・整備不備による転倒
清掃が行き届いていない場所で埃やゴミに足を滑らせる、落ち葉や雪が放置されている場所で転倒するケースです。
④ 作業中の転倒
高所作業、重い荷物の運搬、急いでいるときなど、作業に伴う動作中にバランスを崩して転倒するケースです。

事故発生の主な原因

転倒事故の原因は様々ですが、大きく分けて「物的要因」と「人的要因」に分けられます。

① 物的要因(物理的な環境の問題)

  • 床や通路の状態:濡れ、油、段差、凹凸、障害物の放置、照明の不足
  • 設備や備品の状態:不良なキャスター、不安定な台車、整備不良の脚立
  • 作業環境:狭い通路、不適切な作業スペース

② 人的要因(労働者自身の行動や会社の安全管理の問題)

  • 不注意、確認不足:スマホを見ながらの歩行、急いでいるときの不注意
  • 会社側の安全管理不備:危険箇所の放置、安全教育の不足、リスクアセスメントの不実施

転倒事故の多くのケースでは、これらの要因が複合的に絡み合っています。

「不注意だった」と片付けず、会社側の安全配慮義務違反がなかったかを検討することが重要です。

主なけがや後遺障害

転倒事故は打撲で済む場合もありますが、次のような重い後遺障害が残ることもあります。

  • 骨折(手首・足首・大腿骨・脊椎など)
  • 頭部外傷(脳震盪・外傷性くも膜下出血など)
  • 靭帯損傷や半月板損傷

後遺障害としては、可動域制限、神経症状、慢性的な腰痛や関節痛などが代表的です。

これらは労災認定や後遺障害等級の対象となり、適切に手続きをすれば補償を受けられる可能性があります。

事故後早めの検討・準備が望ましい事項

転倒事故に遭ってしまったら、できるだけ早く以下の事項を検討・準備することが大切です。

① 労災申請の手続き

まずは、会社に労災事故であることを伝え、労災保険の申請手続きを進めてもらいましょう。もし会社が協力的でない場合は、労働基準監督署に直接相談することも可能です。

② 事故の証拠収集

  • 写真:事故現場(床の濡れ、段差、障害物など)、けがの状態
  • 目撃者:同僚や通行人など、目撃者の氏名と連絡先を確保
  • メモ:事故発生日時、場所、状況、会社の対応などを詳細に記録

会社との交渉が難航しそうな場合、労災認定に不安がある場合、また会社に対する損害賠償請求を検討している場合は、早期に弁護士に相談することをお勧めします。

弁護士は、必要な証拠の洗い出しや、会社との交渉、労災申請手続きのサポート、そして損害賠償額の算定などを専門的にサポートします。

よくあるご質問

業務中に自分の不注意で転びましたが、労災になりますか?

不注意であっても、それが業務中に起きた事故であれば、労災と認定される可能性はあります。

労災認定の可否は、事故が「業務遂行性」と「業務起因性」を満たすか否かで判断されます。

業務中に転倒したということは、この「業務遂行性」を満たしていると判断される可能性が高いです。

また、会社側に安全配慮義務違反(危険な箇所を放置していた、十分な安全教育をしていなかったなど)があれば、「業務起因性」を満たす可能性も高いです。

通勤中に駅の階段で転びましたが、労災になりますか?

通勤中の事故も、通勤災害として労災の対象となります。

ただし、「合理的な経路及び方法」での通勤中の事故であることが要件となります。

駅の階段での転倒事故は、一般的に通勤災害と認められる可能性が高いと考えられます。ただし、通勤の途中で寄り道をしたり、不合理な経路を通っていたりした場合は、通勤災害と認められないことがあります。

ただし、このような通勤災害については、会社に安全配慮義務違反を問うことは原則としてできません。通勤途中は会社の管理下にはなく、道路や駅施設は会社が支配・管理する範囲外だからです。

ただし、次のような場合には、会社側の管理責任や安全配慮義務違反が問題となることがあります。

  • 会社が用意した送迎バスや社有車で通勤中に事故が起きた場合
  • 会社の敷地内の通路や階段などで転倒した場合
  • 会社が特定の経路を強制していた場合

まずは弁護士に無料相談

転倒事故は自己責任として処理されやすいですが、長期の療養や後遺障害に至ることも少なくありません。

また、転倒後の後遺障害等級の認定や会社への損害賠償請求をめぐっては、専門的な知識と経験が必要となります。

  • 労災になるのか判断に迷っている
  • 後遺障害の等級認定を受けたい
  • 会社が労災申請に協力してくれない

こうしたお悩みがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。よつば総合法律事務所では、被害者やご家族の立場に立ち、最適な補償を得るためのサポートを行っています。一人で悩まず、まずはお気軽に無料相談をご利用ください 。あなたの再出発を、全力でサポートします。

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