労災事故で後遺障害7級になった場合、もらえる金額はいくらですか?

労災事故で後遺障害7級に認定された場合、労働者災害補償保険(労災保険)から次の3種類の給付を受け取れます。

  1. 障害補償等年金(給付基礎日額の131日分)
  2. 障害特別支給金(7級の場合は159万円)
  3. 障害特別年金(算定基礎日額の131日分)

ただ、労災保険からの給付は、あくまでも公的な補償であり、被災者が受けた精神的苦痛に対する慰謝料や、将来の収入減(逸失利益)の全額は含まれていません。

会社に安全配慮義務違反などの法的な責任がある場合、労災保険とは別に会社に対して民事上の損害賠償を請求して、追加の賠償金を受け取れます。

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後遺障害7級の労災保険からの支給

症状固定後に後遺障害7級に認定されると、労災保険から以下の給付が行われます。

障害補償等年金

労働能力の喪失に対する基本的な補償です。7級の場合、給付基礎日額の131日分が、亡くなるまで毎年、分割(年6回)で支払われます。

障害特別支給金

等級に応じて一律に支払われるお見舞金のような性質のものです。7級の場合は159万円が一度だけ支給されます。

障害特別年金

ボーナスなどの特別給与を反映した給付です。7級の場合、算定基礎日額の131日分が、毎年支払われます。

労災保険からの実際の支給額の具体例

① 給付基礎日額が10,000円、算定基礎日額が2,000円の場合

毎年1,572,000円(障害補償等年金と障害特別年金)を受け取れます。併せて、初回のみ1,590,000円(障害特別支給金)を追加で受け取れます。

給付の種類 金額
障害補償等年金  1,310,000円(毎年)
障害特別年金  262,000円(毎年)
障害特別支給金 1,590,000円(初回のみ)

② 給付基礎日額が15,000円、算定基礎日額が3,000円の場合

毎年2,358,000円(障害補償等年金と障害特別年金)を受け取れます。併せて、初回のみ1,590,000円(障害特別支給金)を追加で受け取れます。

給付の種類 金額
障害補償等年金  1,965,000円(毎年)
障害特別年金  393,000円(毎年)
障害特別支給金 1,590,000円(初回のみ)

労災保険以外に請求できる金額

会社に落ち度(安全配慮義務違反など)がある場合、民事上の損害賠償を請求できます。

入院や通院の慰謝料

裁判所の基準(赤い本 別表I)に基づき、たとえば、4か月入院、8か月通院(計12か月)の場合、248万円が相場です。

後遺障害の慰謝料

後遺障害7級の場合、裁判所の基準は1,000万円が相場です。

逸失利益

将来の減収に対する補償です。たとえば、年収500万円、40歳の方が後遺障害7級に認定された場合、逸失利益は51,315,600円となります。

計算式

5,000,000円(年収)× 56%(労働能力喪失率)× 18.3270(ライプニッツ係数27年分)

  • 7級の労働能力喪失率の原則は56%です。
  • ライプニッツ係数は原則として67歳までの期間で計算します。

その他の損害

会社に対する損害賠償請求では、慰謝料や逸失利益以外にも、労災保険ではカバーしきれない以下のような損害を請求できる可能性があります。

休業損害の差額

労災保険の休業補償給付は、賃金の約60%です。会社に対しては、残りの約40%を請求できます。

なお、労災保険からは、別途休業特別支給金として賃金の約20%が支給されます。

将来介護費

後遺障害7級の中でも、高次脳機能障害などで日常生活に一定の監視や介助が必要な場合、将来にわたる介護費用を損害として請求できるケースがあります。

家屋・車両の改造費

身体障害(下肢の障害など)により、自宅に手すりをつける、段差を解消する、あるいは車椅子対応車両を購入する必要がある場合、その実費を将来の必要経費として会社に請求できる場合があります。

会社からの実際の支給額の具体例

① 高次脳機能障害(7級)のケース

年収600万円の45歳会社員が、4か月入院、8か月通院して、後遺障害7級が認定された場合の具体例は次のとおりです。

内訳 金額
入通院慰謝料 2,480,000円
後遺障害慰謝料 10,000,000円
逸失利益 53,548,000円
合計 66,028,000円
  • 労災保険から既に受領した障害補償等年金と障害特別年金は差し引いて請求します。
  • 労災保険からの休業補償給付では全額受領できなかった休業損害は、別途請求できます。
  • 逸失利益の計算式は、600万 × 56% × 15.9370 (22年分のライプニッツ係数)で計算しています。

② 視力障害(7級)のケース

年収550万円の35歳会社員が、業務中の爆発事故により目を負傷し、3か月入院、9か月通院して、片目が失明し、もう片眼の視力が0.6以下となり、後遺障害7級が認定された場合の具体例は次のとおりです。

内訳 金額
入通院慰謝料 2,260,000円
後遺障害慰謝料 10,000,000円
逸失利益 62,797,500円
合計 75,057,500円
  • 労災保険から既に受領した障害補償等年金と障害特別年金は差し引いて請求します。
  • 労災保険からの休業補償給付では全額受領できなかった休業損害は別途請求できます。
  • 逸失利益の計算式は、550万×56%×20.3888(32年分のライプニッツ係数)で計算しています。

よくあるご質問

治療を続けていますが、いつ後遺障害申請をすればよい?

治療を継続してもこれ以上の症状の改善が見込めない「症状固定」の診断を受けてから申請を行います。

後遺障害7級に相当する重傷の場合、事故から1年〜1年6か月程度が経過したタイミングで症状固定となるケースが一般的です。

労災保険から慰謝料は支払われる?

労災保険から慰謝料は支払われません。

慰謝料は精神的苦痛に対する賠償金です。会社側に安全配慮義務違反などの法的責任がある場合に限り、会社に対して損害賠償請求を行うことで獲得できます。

給付基礎日額とは?

原則として、事故が発生した日の直前3か月間に支払われた賃金の総額を、その期間の暦日数で割った「1日あたりの平均賃金」のことです。年金額や一時金の計算の基礎となります。

算定基礎日額とは?

原則として、事故発生日以前1年間に事業主から支払われた、ボーナスなどの「特別給与」の総額を365で割った1日あたりの金額です。

7級以上と8級以下で、労災保険の給付はどう変わる?

最も大きな違いは、給付が「年金」か「一時金」かという点です。

7級以上では、生涯にわたって定期的に「年金」が支給されます。8級以下では、一度だけまとまった金額が支払われる「一時金」で終了します。

7級以上は、長期間受給することで総額が非常に高額になるため、等級の境界線は極めて重要です。

年金はいつからいつまでもらえる?

原則として、症状固定日の翌月から支給が開始され、受給権者が亡くなるまで支給され続けます。

支払いは偶数月の年6回、前月までの2か月分がまとめて振り込まれます。

一度もらえた年金がもらえなくなってしまうことはある?

後遺症の程度が変化し、障害等級に該当しなくなった場合には受給権が消滅します。

労災保険では定期的に「障害の状態報告書」の提出や再診を求められることがあり、そこで症状が改善した(等級が下がった)と判断されると、支給が止まったり一時金に切り替わったりすることがあります。

仕事に復帰すると年金はもらえない?

仕事に復帰しても、年金は受給し続けることができます。

労災の障害年金は「後遺症が残っていること」に対して支払われるものであり、休業損害とは異なり、収入の有無によって支給が停止されることはありません。

年金ではなく一時金としてもらえる?

7級の場合、例外的に「障害年金前払一時金」という制度を利用できます。

7級で選択できる前払一時金の額は、給付基礎日額の200日分、400日分、または560日分の範囲で選択でき、前払いとして一括で受け取ることが可能です。ただし、前払いを受けた分、その後の年金支給は一定期間停止されます。

年金受給中に亡くなった場合、遺族への補償は?

支払済みの年金合計額が「一時金換算額(7級は560日分)」に満たない場合、その差額が遺族に「障害補償年金差額一時金」及び「障害特別年金差額一時金」として支給されます。

まとめ:まずは弁護士に相談

後遺障害7級は、一生涯の生活や仕事に関わる極めて重い等級です。

労災保険の決定に納得がいかない場合や、会社への適正な賠償額を知りたい方は、よつば総合法律事務所までお気軽にご相談ください。