製造業は、基幹産業として経済を支える重要な役割を担っています。

しかし、その性質上他の産業に比べて労働災害のリスクが高く、労働者は危険と隣り合わせの環境で働いている実態があります。

製造業で労災事故に遭われた方が適切な補償を受けて生活を再建するため、製造業で労災が多い理由、よくある労災事故のパターン、業務災害と通勤災害の区別、労災補償と会社の責任について、弁護士がわかりやすく解説します。

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製造業で労災が多い理由

製造業で労働災害が多発する背景には、作業環境と労働形態があります。

機械操作中心で事故が起きやすい

製造業の現場は、金属を加工するプレス機や旋盤、製品を組み立てるロボットアーム、資材を運搬するフォークリフトやクレーンなど、強力な動力を持つ多種多様な機械設備が稼働しています 。

これらの機械設備は、一瞬の操作ミスや確認不足によって、手指の切断や身体の巻き込まれといった重篤な事故に直結する危険性があります。

また、コスト削減を優先するあまり、何十年も前の古い機械が更新されずに使われ続けていることがあります。こうした老朽化した設備には、経年劣化による誤作動のリスクだけでなく、安全基準を満たすセンサーや安全装置が備わっていないことがあります 。

さらに、生産効率を優先するあまり、本来は危険区域への立ち入りを防ぐためのセンサーなどが意図的に無効化されているケースも存在します。

加えて、新人や経験の浅い作業員に対し、機械の正しい操作方法やその危険性、緊急時の対応方法などについての十分な安全教育が行われていない場合、事故のリスクは格段に高まります。

夜勤・交替制勤務など長時間労働の影響

製造業は、納期に対応するため、工場を24時間体制で稼働させ、多くの労働者が夜勤や二交替や三交替といった不規則な勤務形態で働いています。このような勤務形態は、生活リズムの乱れからくる疲労の蓄積や集中力の低下を招き、ヒューマンエラーによる事故を誘発します。

さらに、厳しい納期や生産ノルマによる長時間労働が続いて肉体的・精神的な疲労が蓄積すると、過労による疾患や精神疾患などの健康障害のリスクを高めることとなります。

よくある労災事故のパターン

製造業の現場では、次のような労災事故が多く発生しています。

挟まれ・巻き込まれ・切断事故

プレス機は数トンから数百トンの圧力をかけることができ、誤って手や指を挟めば切断や重度の挫滅といった回復不能な傷害につながります。

旋盤やコンベアなどの回転機器では、作業着の袖や手袋が巻き込まれて腕ごと機械に引きずり込まれる巻き込まれる事故が後を絶ちません。

せん断機での作業中に他の作業員が誤ってスイッチを入れてしまい、機械に挟まれることもあります。

これらの事故は、手指や腕の切断、機能全廃といった極めて重い後遺障害を残す可能性が極めて高いです。

転倒・墜落・重量物による負傷

製造業では、次のような転倒・墜落・重量物による負傷が発生します。

  • 工場内の床にこぼれた機械油や洗浄液で足を滑らせて転倒した。
  • 整理整頓が不十分で、床に置かれた資材や工具につまずいて転倒した。
  • 高所にある設備のメンテナンス作業中に足場から墜落した。
  • クレーンでの金型交換やフォークリフトでの資材運搬中に、吊り荷や積荷が落下し、下で作業していた労働者が下敷きになってしまった。

いずれも、後遺障害や死亡につながる可能性が高い事故です。

過労による脳・心臓疾患や精神疾患

夜勤や交替制勤務といった不規則な勤務形態が続き、厳しい納期や生産ノルマによる過度な長時間労働が重なると、職場での強いストレスが原因で脳梗塞・心筋梗塞といった脳・心臓疾患を発症したり、うつ病などの精神疾患となることがあります。

業務災害と通勤災害の区別

労災保険の補償対象となる災害は、業務災害と通勤災害の2つです。

工場内での作業中の事故等は業務災害、出退勤途中の事故は通勤災害として、保険給付の対象となります。

工場内での事故は業務災害

業務災害と認定されるためには、業務遂行性と業務起因性という2つの条件を満たす必要があります。

業務遂行性とは、労働者が事業主の指揮命令下にある状況で災害が発生したことです。就業時間内だけでなく、休憩時間中に事業所内の施設で発生した事故についても含まれる場合があります。

業務起因性とは、災害が業務に内在する危険によって発生したことです。機械操作中に手を挟んだ、重い物を持ち上げて腰を痛めたというような業務に基づく事故であれば、通常は業務起因性が認められます。

出退勤途中の事故は通勤災害

通勤災害は、住居と就業場所の間の往復を合理的な経路及び方法で行っている際に発生した災害です。

私的に友人の家に立ち寄るなど、合理的な経路を逸脱・中断した後に事故にあった場合、原則として通勤災害とは認められません。

ただし、日用品の購入や病院への立ち寄りなど、日常生活上必要な行為のために一時的に経路を外れた後、元の経路に戻ってからの事故は、通勤災害と認められる可能性があります。

労災補償と会社の責任

被災された労働者やそのご遺族の生活を支えるため、次のような給付が労災保険から支給されます。

また、労災事故が会社の安全配慮義務違反によって発生した場合、会社に対して損害賠償を請求できる可能性があります。

労災保険給付の種類

療養(補償)給付

病院の治療費や薬代などが補償されます。

通院する病院が労災指定病院であれば、労災保険から病院に直接治療費が支払われます。通院する病院が労災指定病院でない場合でも、いったん窓口で立替払いを行い、事後的に請求することが可能です。

休業(補償)給付

労働災害で仕事を休業している間は、一定の例外を除き会社から給料は支払われません。そこで、労災保険の休業(補償)給付を受けることになります。

休業4日目から、休業1日につき給付基礎日額の60%が支給されます。さらに特別支給金として20%が上乗せされるため、合計で80%が補償されることとなります。

障害(補償)給付

治療を続けても完治せずに後遺障害が残ってしまった場合、後遺障害の程度に応じて後遺障害等級(第1級~第14級)の認定を受けることで、障害(補償)給付が受けられます。

  • 障害(補償)年金は、後遺障害等級が第1~7級の場合に年金形式で支給されます。
  • 障害(補償)一時金は、後遺障害等級が第8~14級の場合に一時金形式で支給されます。

遺族(補償)年金

労働者が業務災害または通勤災害により死亡した場合、その収入によって生計を立てていた遺族には、遺族(補償)年金、葬儀費用として葬祭料(葬祭給付)などが支給されます。

会社の安全配慮義務違反と損害賠償

労災事故が会社の安全配慮義務違反によって発生した場合、労災保険給付とは別に、会社に対して損害賠償を請求できる可能性があります。

会社に対して損害賠償請求を行うには、事故状況を調査して安全配慮義務違反を主張立証する必要があります。

弁護士に相談するメリット

労災事故に遭われた場合、弁護士に相談することで次のようなメリットがあります。

複雑な手続きのサポート

労災保険の申請は、多くの書類作成や労働基準監督署とのやり取りが必要となり、被災された方やご家族にとって大きな負担です。弁護士がこれらの複雑な手続きを代理することで、安心して治療に専念していただくことができます。

労災給付だけでなく慰謝料など請求の可能性

労災保険の給付は、治療費や休業中の生活保障が中心であり、事故によって受けた精神的苦痛に対する慰謝料(特に裁判で認められる水準のもの)や、将来の収入減少(逸失利益)の全てを十分にカバーするものではありません。

弁護士が代理人として交渉や裁判を行うことで、労災保険ではカバーされない慰謝料や、休業損害の不足分、将来得られたはずの収入(逸失利益)など、正当な損害賠償を会社に請求できる可能性があります。

当事務所のサポート

よつば総合法律事務所は、複雑な労災申請から、後遺障害の適正な等級認定の支援、会社に対する損害賠償請求まで、一貫して対応します。

製造業の労災事故に遭われた方とそのご家族を全力でサポートいたします。労災事故でお困りの方は、一人で悩まず、まずは当事務所へお気軽にご相談ください。