過労死が労災認定されたり、会社への損害賠償請求ができたりするのはどのような場合ですか?

過労死が労災認定されるには、発症前1ヶ月に約100時間、または2〜6ヶ月平均で月80時間を超える時間外労働(過労死ライン)があることが一般的です。

また、会社への損害賠償請求については、会社が労働者の健康を害さないよう配慮すべき「安全配慮義務」に違反していた場合に認められます。

労災でお困りの方へ

弁護士による無料相談受付中

弁護士による無料相談受付中

メールで相談

無料相談申し込み

24時間365日受付

電話で相談

0120-916-746

受付時間 平日・土日祝日/6:00〜22:00

※本予約ダイヤルでの電話相談は行っておりません。

過労死とは

「過労死」とは、業務による過重な負荷が原因で、脳血管疾患や心疾患を発症して亡くなること、または仕事上の強いストレスから精神障害をきたし自死(自殺)に至ることです。

過労死等防止対策推進法では、「業務における過重な負荷による脳血管疾患・心疾患を原因とする死亡」「業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺」などと定義されています。

遺族にとっては、働き盛りの家族を突然失うという耐え難い苦痛を伴う事態であり、その責任の所在を明らかにすることは、亡くなった方の無念を晴らすためにも非常に重要です。

過労死の労災認定の要件

労災(労働災害)として認定されるためには、その死亡が「業務」に起因していること、すなわち「業務起因性」が認められなければなりません。

脳・心臓疾患の場合、厚生労働省が定める認定基準に基づき、主に以下の3つの観点から「業務による明らかな過重負荷」があったかどうかが判断されます。

① 異常な出来事
発症直前から前日の間に、極度の精神的負荷や強度の身体的負荷を伴う突発的・予測困難な異常事態、あるいは急激な作業環境の変化に遭遇した場合です。
② 短期間の過重業務
発症前1週間程度の間に、同僚と比較しても特に過重な身体的・精神的負荷を生じさせたと認められる業務に従事した場合です。
③ 長期間の過重業務
特に労働時間が重視され、発症前1か月に約100時間、または2~6か月間の月平均で約80時間を超える時間外・休日労働がある場合(いわゆる「過労死ライン」)です。

過労死として認定されるケース

過労死として認定されやすい典型的なケースは、労働時間の客観的な記録が残っており、それが明確に認定基準を超えている場合です。たとえば、次のようなケースです。

① 月100時間超の残業
発症直前1ヶ月間に約100時間を超える時間外労働があった場合です。
② 複数月の平均が80時間超
発症前2ヶ月〜6ヶ月間の月平均で80時間を超える時間外労働があった場合です。
③ 労働時間以外の負荷要因
拘束時間が長い、出張が多い、交代制勤務や深夜勤務が多い、精神的緊張を伴う業務であるなど、労働時間と併せて総合的に負荷が重いと判断される場合です。

過労死として認定されないケース

一方で、過労死として認定されにくい(不支給となる)ケースには、以下のような特徴があります。

① 過労死ラインに達していない
残業時間が月45時間を下回るような場合、業務と発症の関連性は低いと評価されがちです。
② 私的要因の関与
亡くなった方に重度の持病(既往症)があり、それが死亡の主因であると判断された場合です。
③ 業務外のストレス
借金、家庭内トラブル、個人の性格的な問題など、仕事以外の要因が発症に強く影響していると判断された場合です。
④ 証拠の欠如
サービス残業や持ち帰り残業が多く、タイムカード等に正確な労働時間が反映されていない場合、証拠不足で認定が難しくなることがあります。

過労死が労災認定された場合の補償

労災認定を受けると、遺族は「労災保険」から次のような給付を受けることができます。

① 遺族補償年金

労働者によって生計を維持されていた配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹が対象となります。

受給には続柄や年齢などの制限があります。給付額は遺族の数に応じて、給付基礎日額の153日分から245日分が支給されます。

② 遺族特別支給金
一時金として300万円が支給されます。
③ 遺族特別年金
算定基礎日額に基づいて支給されます。
④ 葬祭料(葬祭給付)
葬儀費用として、一定額が支給されます。

給付額は、「給付基礎日額×30日分+315,000円」で計算されます。この金額が、給付基礎日額×60日分より少ない場合には、「給付基礎日額×60日分」で支給されます。

これらは国の保険制度からの給付であり、会社に支払い能力がない場合でも確実に受け取れるメリットがあります。一方で「慰謝料」などの項目は含まれておらず、全ての損害がカバーされるわけではありません。

会社への損害賠償請求

労災保険による給付だけでは不十分な場合、あるいは会社側の安全管理体制に明確な不備があった場合、遺族は会社に対して「損害賠償請求」ができます。

労災保険は「過失の有無を問わず」支給されますが、会社への請求は「会社側に落ち度(過失)があったこと」を立証する必要があります。

会社への損害賠償請求の要件

会社への請求が認められるためには、安全配慮義務違反が必要です。

会社は、労働者が業務遂行に伴い疲労や心理的負荷を過度に蓄積して心身の健康を損なわないよう注意する義務を負っています。

この義務を怠り、業務量の調整や人員補充などの適切な措置を講じなかった場合に違反が認められます。

損害賠償ができるケース

具体的に賠償請求が認められやすいのは、以下のような状況です。

① 過酷な長時間労働の放置
過労死ラインを大幅に超える残業を会社が把握しながら、何の対策も講じていなかった場合です。
② 健康診断結果の無視
定期健康診断で「要精密検査」などの所見が出ており会社がこれを把握していたにもかかわらず、残業を継続させた場合です。
③ ハラスメントの存在
上司からの執拗なパワハラによって精神的に追い詰められ、自殺に至ったことが客観的証拠(日記や録音、メールなど)で証明できる場合です。

損害賠償が難しいケース

逆に、賠償請求が困難、あるいは大幅に減額(過失相殺)されるのは以下のようなケースです。

① 業務実態を会社が把握できなかった場合
労働者が意図的に残業を隠しており、会社側が労働者の健康管理を行う余地が全くなかったと判断される場合です。
② 本人の過失が著しい場合
医師の指示を無視して勝手に激しい運動をしていたり、過度の飲酒や不摂生が影響している場合です。
③ 因果関係がない場合
業務とは全く無関係な個人的な心身の疾患が、死亡の圧倒的な主因である場合です。
④ 会社が相当な安全配慮を尽くしていた場合
会社側が労働者の勤務状況を把握し、業務量の調整や休暇の取得を促すなど、心身の健康を損なわないための具体的な措置を十分に講じていたと認められる場合です。

損害賠償ができる場合の金額

会社に対して請求できる損害賠償額は、労災保険の給付額よりも高額になるケースが多いです。主な内訳は以下の通りです。

① 逸失利益
死亡しなければ将来得られたはずの利益(収入の減少分)です。
② 死亡慰謝料
死亡したことに対する精神的苦痛への賠償です。裁判所の基準では以下の金額が目安です。
  • 一家の支柱 2800万円
  • 母親や配偶者 2500万円
  • その他の場合 2000万〜2500万円

逸失利益と死亡慰謝料を合計すると、若年層や高年収層の場合、8000万円〜1億円を超える賠償額になることも珍しくありません。

なお、被災者側の基礎疾病や健康管理上の責任が考慮される場合、過失相殺により賠償額が減額されることがあります。

よくあるご質問

「過労死ライン」とは具体的に何時間ですか?

時間外・休日労働が「発症前1ヶ月に約100時間」または「2〜6ヶ月間の月平均で80時間」を超える場合です。

また、これに満たない場合でも、睡眠不足や精神的負荷などの要因を総合考慮して認定されることがあります。

仕事のストレスによる自殺の場合、どのような条件があると請求できますか?

仕事による強い心理的負荷(パワハラ、過重な責任、急激な仕事量の増加など)により、精神障害を発症したと認められることが条件です。

本人の「脆弱性(もともとの性格)」が議論になることもあり、仕事の負荷が主因であるかどうかなどが争われることがあります。

未払い残業代も請求できますか?

未払い残業代も請求できます。

過労死事案では、労働時間を証明する過程で、支払われていなかった残業代が発覚することが多々あります。

未払い残業代も損害賠償請求と併せて請求することが可能です。

弁護士に相談・依頼するメリット

遺族が自ら会社と交渉したり、複雑な労災申請を行ったりすることは精神的・体力的に非常に困難です。弁護士に相談・依頼するメリットは次のとおりです。

① 証拠収集
パソコンのログ、入退室記録、同僚の証言など、会社が隠しがちな証拠を確保しやすくなります。
② 適切な賠償額の計算
裁判所の基準に基づいた、適正な賠償額を算出します。
③ 精神的負担の軽減
会社との窓口を全て弁護士が担うため、遺族は平穏な生活を取り戻すことに専念できます。

当事務所のサポート内容

よつば総合法律事務所では、過労死・労災問題に精通した弁護士が、遺族の皆様に寄り添い、最善の解決を目指します。

① 初回無料相談
今後の見通しやリスクについて、専門的な視点からアドバイスいたします。
② 労災申請支援
労働基準監督署への申請書類作成や、裏付け資料の整理をサポートします。
③ 会社との交渉・訴訟
示談交渉から裁判まで、一貫して代理人として戦います。

初回相談は無料です。まずは一度ご相談ください。